2024/07/29

眠れない!寝付けない!すぐ目が覚める!睡眠障害に対する効果的な対策法!

 日に日に暑さが増して、寝苦しい夜も出てくるようになりました。

みなさんは夜はぐっすりと眠れているでしょうか?

今回は睡眠障害について書いていきたいと思います。

睡眠障害とは

睡眠障害は大きく内因性と外因性、概日リズム睡眠障害に分かれます。

内因性のものは原発性不眠症とも呼ばれる精神性理性不眠症になります。

これといった原因が無いにもかかわらず、慢性的に不眠が持続する状態であり多くの場合、時々不眠を自覚していた人がストレスなどに関連して不眠となり、そのストレスがなくなった後にも不眠が持続します。

症状は、寝ようとすると目がさえて寝付くことができませんが、旅先などの非日常的な状況ではよく寝られるといったような症状がよくみられます。

外因性のものはその中で4つに分類されます。

まず一つ目に不適切な睡眠衛生があげられます。

不適切な睡眠障害とは以下の表に記されたものになります。

不適切な睡眠衛生項目
毎週少なくとも2回の昼寝
覚醒時刻あるいは就寝時刻が不規則
しばしば(1週間に2~3回)寝床の中で長時間過ごす
就寝前にアルコール、タバコ、あるいはカフェインを含む嗜好品を習慣的に摂取する
就床時刻のすぐ前になって運動する習慣がある
就床時刻のすぐ前になって興奮したり、感情的に混乱するような活動をする
寝床の中で、睡眠とは関係のない行為をしばしば行なう
(例:TVを見る、読書をする、勉強をする、軽食をとる)
寝心地の良くない寝具を使って睡眠をとる
寝室が明るすぎたり、風通しが悪かったり、ざわめいていたり、
暑すぎたり、寒すぎたり、とにかく睡眠を妨げる何らかの条件がある
就寝する直前に、高度の精神集中を要する活動を行なう
寝床に入ってから、思考・計画・回想などの精神活動にふける

2つめは適応性睡眠障害です。

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急なストレスや葛藤、情緒的高揚などにより起こります。不眠の持続期間としては短期なのが特徴的です。

3つめは睡眠不足症候群です。

仕事などのために必要な夜間睡眠が取れない状況が持続したことにより起こるもので、過剰な眠気や入眠障害を引き起こします。

最後がアルコール依存性睡眠障害です。

入眠用に使用している睡眠薬、またはアルコールの常飲により耐性が形成され、効果が減少して起こります。また、それらから離脱する際にも起こります。

概日リズム睡眠障害は時差ぼけや昼夜交代勤務の人に起こる睡眠障害になります。

不眠症の原因

不眠症の原因としては5つのPとしてまとめられています。

5つのP内容
Physical疼痛、皮膚掻痒感、夜間頻尿、咳などの身体的要因
Physiological騒音、光、不快な温度、旅行による環境変化などの環境要因、好ましくない
Pharmacological薬物の副作用ないし離脱などの薬理学的要因
Psychologicalストレス、緊張などの心理学的要因
Psychiatricうつ病、統合失調症、不安障害などの精神障害

不眠症の症状

不眠症の症状には4つの種類があります。

夜間なかなか寝付くことができず、寝付くのに普段より2時間以上かかる「入眠障害」

いったん寝付いても夜中に2回以上目が覚める「中途覚醒」

普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」

朝起きた時にぐっすり眠った感じの得られない「熟眠障害」の4種類です。

睡眠障害に対する対処の12の指針

(睡眠障害の対応と治療ガイドラインより引用)
睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
睡眠時間の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
年をとると必要な睡眠時間は短くなる
刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
就寝前4時間のカフェイン摂取、就寝前1時間の喫煙は避ける
軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング
眠たくなってから床につく、就寝時間にこだわりすぎない
眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝付きを悪くする
同じ時刻に毎日起床
早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝が辛くなる
光の利用でよい睡眠
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
夜は明るすぎない照明を
規則正しい3度の食事、規則的な運動
朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
運動習慣は熟睡を促進
昼寝をするなら15時間前の20~30分
長い昼寝はかえってぼんやりのもと
夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
眠りが浅い時は、むしろ積極的に遅寝・早起きに
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のびくつき・むずむず感は要注意
背景に睡眠の病気、専門治療が必要
十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
車の運転に注意
睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる
睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
一定時刻に服用し就寝
アルコールとの併用をしない

東洋医学的睡眠障害

東洋医学において不眠は陰と陽の相対的なバランスが崩れた時に発症すると考えられています。普通なら昼間に陽が、夜間に陰が旺盛となりますが、何らかの原因で夜間に陽が旺盛になった結果、不眠症になると考えられています。

対処法としては一番は生活リズムを規則的にすることです。

その上で眠れないのであれば、失眠というツボを温めるか、耳を温めましょう。

失眠は足裏にあり、踵のちょうど真ん中あたりに位置します。ここは不眠症の特効穴とされています。

耳は東洋医学では腎に関わりがあり、腎は睡眠と関わりがあるとされています。年を取り、腎精が減ることで高齢者は早起きとなってしまいます。耳を温めることで腎陰を補い、腎精の損耗を少なくすることができます。

また、夜間に陽が旺盛になるのは肝や心が影響しますが、この場合は瀉法といって旺盛になりすぎた気を抜く手技が必要になります。これは鍼灸治療によって行なうことが可能なので、もし不眠症に悩まれている方がいらっしゃれば一度鍼灸院でご相談ください。

まとめ

夜眠れないのは本当に辛いですよね。日中の仕事や家事にも影響が出てきますし...。

昔から眠れない時は足を温めなさいと言われていたみたいです。以前は科学的根拠が無いと否定されていましたが、近年になってようやく西洋医学でも認められるようになりました。

鍼灸も未だ解明途中のものが多いですが、このような原因不明のものなどはより効果を発揮しやすいです。

不眠に悩まれている方は、セルフケアと併せて鍼灸も受けてみてはいかがでしょうか。


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