湿度も高く、むくみやすい季節でもありますね。
梅雨明けももうすぐだと思いますが、梅雨が明けてもしばらくはムシムシとした日々が続きそうです。
これだけ水気の多い季節はいやが応にもむくみやすくなってしまいます。
むくみの原因も様々とあります。今回はむくみとそのセルフケアについて書いていきたいと思います。
むくみとは
むくみとは広義に浮腫と呼ばれ、細胞外に異常な量の液体成分が貯留することで起こるものを指します。
微小循環レベルでの水分移動のバランスの崩れが原因となります。血管外へ出る水分量が血管内へ戻る水分量を上回る場合に浮腫が起こります。
この水分が炎症性と非炎症性に分けられ、炎症性の物は滲出液と呼ばれます。血管の透過性が亢進することによって生じる物で名前の通り炎症が引き金となります。
非炎症性のものは漏出液と呼ばれます。これは静水圧あるいは浸透圧の変化によって生じます。
ふくらはぎは第2の心臓と呼ばれるくらい大事な筋肉になります。このふくらはぎのポンプ作用により足に溜まった血液を心臓に戻します。
このふくらはぎの筋肉が弱ることで、心臓へ血液を戻す力が弱くなり、結果的に下肢の水分量が増えて水分移動のバランスが崩れて足がむくんだりする原因となります。
ただ、病気によってもむくむことがあります。なので、安易にマッサージや着圧ソックスなどでむくみを改善させるのは危険な行為となります。まずは病院へ受診して、病気ではないことを確認してから次のステップに移行することを強くおすすめします。以下に例を挙げておきますので参考にしてください。
浮腫の分類
浮腫 | どんなもの |
---|---|
心性浮腫 | ①右心不全による全身浮腫:下肢に強い ②左心不全による肺水腫と胸水貯留 |
腎性浮腫 | ①アルブミンの尿中への漏出に伴う低タンパク血症:全身浮腫(とくに眼瞼周囲に強い) ②尿毒症に合併する肺水腫:水腫液のタンパク質濃度が高い |
肝性浮腫 | 肝硬変によるアルブミン合成低下に伴う低タンパク血症と門脈圧亢進(腹水が最も目立つ) |
上大静脈症候群 | 癌(とくに肺癌)による上大静脈の閉塞に伴う両上肢、頸部、顔面のうっ血性浮腫 |
下大静脈閉塞症 | 癌(胃癌や子宮癌)による下大静脈の閉塞に伴う両下肢のうっ血性浮腫 |
リンパ浮腫 | 多いので省略します |
とくに指で押した跡がなかなか消えないのは要注意です。西洋医学的には症状に合わせて着圧ソックスを推奨したり、薬での治療となるかと思います。
東洋医学的
続きを読む
東洋医学的には肺・脾・腎や三焦の異常であると考えます。この肺・脾・腎は水分に関わる臓腑となっていて、三焦はその通り道となるからです。
東洋医学では肺は体内の水液を腎に送って尿を作る元とする作用をもちます。これが肺の水液代謝を調節する作用であり、水道を通調する生理機能とされます。この生理機能が衰えることにより、水が皮下にあふれて浮腫となります。
脾は運化水液と言って水分を吸収して輸送したり散布したりする作用になります。余分な水分を肺や腎に送って尿として排泄させます。この作用が衰えると水液が体内で滞って浮腫となります。
腎は「主水」と呼ばれ、水に関係するものの頭取みたいなイメージで良いと思います。
水液を管理し、脾から肺へ、肺から腎に送られてきた水分が腎によって蒸留気化され、蒸気となって三焦を通って全身に送られます。この蒸留気化作用が異常をきたすと関門(尿のバルブ)が異常を起こし、小便の代謝障害が起こって乏尿や浮腫となります。
三焦は上述の通り、水に関連する肺・脾・腎が送る通り道となります。イメージとしては血管の様なイメージで大丈夫です。(厳密には異なりますが。)
簡単にできるむくみセルフケア方法
着圧ソックスやマッサージなどの方法と、ツボ押しがあります。あとは薬局等で販売しているお灸なども効果的です。
マッサージに関しては、あまり強くやらないで、なで上げるような強さでやってあげるのがおすすめです。
ツボに関しては、三陰交、豊隆、関衝、中府あたりがおすすめです。
三陰交は過去の記事でも紹介しているのでそちらを参照してください。
豊隆は膝と足首をちょうど半分にした外側にあります。一番盛り上がっているところになります。このツボは体の中の湿気を取り除いてくれるツボになります。
関衝は薬指の爪の付け根あたりにあります。爪を挟むようにして揉んであげるのがおすすめです。このツボは上述の三焦のツボになるので効率よく吸収してくれるようになります。
中府は少し難しいですね。第1肋間の高さで、体の中心から指8本分(人差し指~小指×2)外側にあります。ここは肺と脾に関係するツボになります。
もしあまりトイレに行かないというような方がいらっしゃれば、腎のツボをとっても良いですね。腎のツボで代表的なところでは太渓あたりになります。腎のツボは過去の記事でも紹介しているのでそちらを参照してみてください。
まとめ
今回は足のむくみをメインに紹介してみました。顔のむくみは原理的には今回の内容と大差無いですが、東洋医学的に考えるとまた異なってきます。ですので、顔のむくみの解消法についてはまた別の機会にご紹介させていただきます。
0 件のコメント:
コメントを投稿