最近では芸能人やインフルエンサーの方々など多くのひとが美容鍼灸を受けていますね。
鍼灸の認知度が広がるのはとても素晴らしいことだと思います。
ただ、テレビなどで見てて思うのは、この美容鍼灸のやり方って危ないなぁという感想を持つのが多いです。映えを意識しすぎて肝心の安全性が担保されていないなぁというのが現状ですね。
そこで正しく安全に美容鍼灸を受けていただくために、何が危険なのか、美容鍼灸がもたらす効果はどんなものなのかについて解説していきたいと思います。
- 使ってる鍼(はり)ってどんなもの?
- 安全性はどうなの?
- 美容鍼って何に効くの?
- まとめ
1.使ってる鍼(はり)ってどんなもの?
自分の体の中に入るものなのでどんなものなのか気になりますよね。
私たちが普段使っている鍼というのは基本的にはディスポーザブル(使い捨て)の鍼になります。
一般的な治療に使われるのは1番鍼といわれる太さの鍼が多いです。
ここで鍼の太さや長さについて解説していきます。
基本的な1番鍼と呼ばれる鍼の太さは0.16mmになります。1番増えるごとに0.02mm太くなっていきます。
セイリン社製の鍼だと持ち手のところが色分けされているのでわかりやすいです。(以下表↓)
続きを読む▽番手 | 色 | 太さ(mm) |
---|---|---|
03番 | 濃い青色 | 0.10 |
02番 | 濃い緑色 | 0.12 |
01番 | 黄緑色 | 0.14 |
1番 | 赤色 | 0.16 |
2番 | 黄色 | 0.18 |
3番 | 水色 | 0.20 |
4番 | ピンク色 | 0.23 |
5番 | 紫色 | 0.25 |
8番 | 黄土色 | 0.30 |
という風になっています。
2.安全性はどうなの?
鍼を使い捨てで使う分には問題ありません。ただし、何回も使っていると摩耗して折れやすくなったりします。(一部、銀製の鍼や金製の鍼を用いていて、滅菌処理をして使っているところもあります)
また、電気を流す鍼もありますが、それは3番鍼以上の太さで流してくださいと仕様書には書いてあります。つまり、その太さ未満の鍼で電気を流して折れても責任は取りませんよ、ということになります。それすなわち、その太さ未満の鍼で電気は流さないでくださいといっているようなものですね。
以前テレビの某番組で紹介されていた美容鍼では濃い青色の鍼に電気を流していました。
これは非常に危険であると言わざるを得ません。
もし、安全な美容鍼を受けられたい方は電気を流さないでやってくれるところか、電気を流す鍼でも事前に太さを確認することを強くおすすめします。
万が一、鍼が折れてしまったら、外科手術で取り除かなくてはならないという大事に発展します。
そもそも、顔の筋肉は手足の筋肉とは違って、骨格筋(骨に付いてる筋肉)ではなく、皮筋(皮膚または筋肉同士で付いてる筋肉)になります。骨格筋は骨に付いてるので丈夫なのですが、皮筋は薄い皮膚または筋肉に付いているので結合が弱いとも言われています。
そんなところに強い電気を流したら大けがのもとにもなりかねません。
また、美容鍼灸は顔に鍼を打つ分、内出血のリスクはどうしてもつきまといます。基本的には1~2週間で消えることが多いですが、血液をサラサラにするような薬を服用されている場合や、圧迫止血が不十分であると長く残ることもあります。
もし、内出血をしてもファンデーションで隠れる程度のものしか起きないのがほとんどなので、その点に関してはあまり不安視しなくても良いかと思います。(内出血自体いやなものではあるんですけど...。)
私がやっている美容鍼は基本的には電気を流さないか、流しても問題の無い部分で行うようにしています。また、内出血に関しても、万が一起きた場合には早く消える処置法もしっかりと把握しています。(方法に関しては同業者に対して、無料で公開できないほどの価値があるのでここでは明かせませんが)
美容鍼を受けられる際はその点に関して担当の人にしっかりと説明してもらい、納得した上で受けてくださいね。
3.美容鍼って何に効くの?
美容鍼で思い浮かぶのは顔にいっぱい鍼が刺さっている場面ではないでしょうか。
では、そもそも美容鍼って何に効果があると思いますか?しみ?しわ?
結論から言うと、しみやしわに対しては効果は低いです。
では何に効果があるのかと言えば、1番は小顔効果ですね。小顔といっても、骨格は変えられません。むくみを取ることで小顔にする程度です。
しみやしわに対しても全く効果が無いかといわれると、そうではなく、多少の効果はあります。
鍼で微少な傷を付けることにより、皮膚の再生(ターンオーバー)を促進させることでしみを薄くしたり、しわを作っているのが筋肉の衰えであれば引き上げる筋肉に鍼をしてリフトアップからのしわを薄くすることはできます。
ただし、しみの方はターンオーバーを促進させるだけなので当然時間もかかります。
しわの方は一時的な効果でしかありません。それに加えて表情筋の筋トレが必要になってきます。
4.まとめ
美容鍼灸も適切な知識をもった担当者に当たればきちんとした効果が出ます。テキトーにやってもある程度の効果が出ます。どこに違いがあるのかと言えば、安全面が担保されているかどうか、美容鍼灸の適応と不適応の把握をしているかどうか、顔の筋肉や血管、神経の位置の把握をしているかどうかの3点にあります。
自分の身を守るためにも、納得がいくまできちんと説明を受けて、わからないところはしっかりと質問をして不安なところを解消してから美容鍼灸を受けることをおすすめします。
前回の記事はこちら↓
そもそも鍼灸(しんきゅう)マッサージって何!?意外と知らない超重要なこと!
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