人の身体は日々の食生活や睡眠サイクル、生活環境などによって日々変わってきてきます。
人の身体を構成している細胞の寿命は数時間~数十年とまちまちですが、今回は身体の中でいろんな役割をもつ血液細胞に関して注目しつつ、自分の体質がどんな体質なのかをしっかりと把握していただきたいと思います。
今回は最初に血液とはいったい何なのか、について書いていきたいと思います。
手っ取り早く体質について知りたい方はその②へお願いします。
そもそも血液とはいったいどんな働きをしているのかご存じでしょうか?
血液の機能は大きく8つあります。
1.血液の中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の運搬。
2.胃や腸などで吸収された栄養素または脂肪組織や肝臓から出た栄養素を運搬。
3.末梢組織で出た代謝産物を腎臓などへ送る。
4.酵素やホルモンを目的の場所まで運ぶ。
5.体液のpHや電解質組成を調整し、乳酸などを吸収する
6.ケガしたところから体液が漏れ出るのを防ぐ。
7.毒や病原体からの防御をする。
8.熱を吸収し、再分配するなどして体温を一定に調節する。
これらの8つに分類されます。
また、血液は血清と血球成分に分かれます。
血清とは血液の液体成分のことを指します。この中でさらに、水、電解質、栄養素、有機老廃物、タンパク質(アルブミン、グロブリン、フィブリノゲン)に分類されていきます。
水はこの後解説する血球を運んだり、熱を運んだりします。
電解質は細胞を活動させるために必要なものになります。
栄養素はその名の通り、細胞のエネルギーを生み出したり成長・維持させるために使われます。
有機老廃物は分解または排出される場所に運ばれていきます。
タンパク質は脂質やホルモンを運んだり、血液を固まらせるためのものになります。
血球成分は大きく3つに分類されます。赤血球、白血球、血小板です。
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赤血球はガスの運搬、白血球は防衛機能、血小板はカサブタをつくる機能になります。
赤血球の寿命は約120日もしくは1000km以上の距離を循環すると壊れてしまいます。
☆雑学コーナー☆
人の血液型はこの赤血球の膜に特殊な成分があるかどうかで決まります。
日本人の血液型の割合はA型が38.3%、B型が21.8%、O型が30.5%、AB型が9.4%となっていて、人種によってその割合は変わります。
南米の原住民はなんとO型が100%なんです。すごいですよね。
白血球はさらに顆粒白血球(好中球、好酸球、好塩基級球)と無顆粒白血球(単球、リンパ球)に分類されます。
好中球は白血球の中で最も多いものになり、その機能は身体の防御をしています。
好酸球は寄生虫に感染したり、アレルギー反応によって増加します。基本的には寄生虫をやっつける働きをします。
好塩基球はヒスタミン(かゆみの原因)を出すもので即時型アレルギー反応の原因とされています。
単球は好中球と役割が似ており、細菌を貪食したりします。それに加えて、T細胞に抗原(細菌などの原因物質)を提示したり(ここにこんなのがいるよ!なんとかして!)、サイトカインというもの(免疫細胞由来のタンパク質)を産生して生体防御や免疫防御をしています。
リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞などがあります。
T細胞は身体の免疫を統制する超エリート細胞で、胸腺というところに存在しますが、そのほとんどが排除されています。排除される原因は、適切な免疫応答を100%行えないからです。100%適切に対処できるものだけが胸腺で生き残って、仕事をしているのです。
B細胞は様々な種類の抗体を産生して、適切な免疫処理をおこないます。たくさんの武器を持って、状況に合わせて使いこなす細胞、というようなイメージで良いかと思います。
NK細胞は最近よくテレビで取り上げられることが多くなっていますね。笑うと活性化して、ガンの予防になるとか言われているアレです。
また、白血球の寿命は約2~3日程度です。(成熟するまでに7~14日ほど必要とします。)
血小板は主に止血のために働きますが、その性質はとても弱いものになります。
応急処置的に止血をしてくれて、その後に血液中に含まれるフィブリノゲンというタンパク質が補強してくれます。
ただし、ビタミンKが足りなくなると止血がうまくできなくなったりします。
血小板の寿命は約10~12日間で、古くなると貪食されます。
これらの細胞がわかりやすくなっているのが「はたらく細胞」シリーズになります。
漫画形式で身体の中でいつも赤血球や白血球、血小板などがどういう働きをしているのかを描いてくれています。
また、シリーズものに喫煙者や飲酒している人の身体ではどうなっているのか、赤血球や白血球が生まれるまでの過程を描いたものもあるので、もし興味があれば読んでみてください。
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