2024/07/15

整体と鍼灸マッサージってどう違うの?見分け方は?

 最近のSNSを見ていると○○が良くなる!とか○○整体法!なんて文言を掲げている発信者が増えてきましたね。

たまに聞かれるのが、整体と我々のマッサージってどう違うの?というような質問です。

なのでここで一度その違いについて解説していきたいと思います。

鍼灸マッサージとは

鍼灸マッサージがどういうものかについては過去の記事でも紹介していますが、ここではもう少し詳しく解説しようと思います。

我々が行っているあん摩マッサージ指圧・はり・きゅう(以下あはき)は以下の法律で定められています。

第一条 医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅうを業としようとする者は、それぞれあん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許、きゅう師免許を受けなければならない

第七条 あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業若しくはきゅう業又はこれらの施術所に関しては、何人も、いかなる方法によるを問わず、以下に掲げる事項以外の事項について、広告をしてはならない。

一、施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所

二、第一条に規定する業務の種類

三、施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項

四、施術日又は施術時間

五、その他厚生労働大臣が指定する事項

第十二条 何人も第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法の定めるところによる。

など一例ですがご紹介させていただきました。

整体とは

では、整体とはどういったものを指すのでしょうか?

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基本的には人体に危害が及ばない範囲での施術であり、疾病の治療及び保健の目的をもたないものに限局されます。

リラクゼーション目的にのみ認められる、といった感じでしょうか。

つまり、整体と名乗ることには何の問題もありませんが、○○が良くなります!と掲げてしまうと問題となってしまうということですね。

なお、最近では理学療法士の方が整体院を開いているのもよく聞きます。

理学療法士及び作業療法士法を参照してみると、以下の通りに記載されています。

第二条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

2 作業療法に関する記載

3 この法律で「理学療法士」とは、厚生労働省の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。

4 この法律で「作業療法士」とは、以下3と同文

お気づきになりましたか?

「理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下」とあります。ですので、医師の指示がないところでの理学療法士の名称を用いた行為は認められていません。まぁ、無資格者の整体に行くよりは安全性は高いとは思いますが、万が一があった場合は自己責任となってしまう可能性があります。

なお、あはきに関する法律では開業に関する記載があるのに対し、理学療法士には記載が無いので、「理学療法士」が開業することは認められていません。施術する場所も病院若しくは診療所と限定されていますしね。

違反したらどうなるの?

その内容にもよりますが、法律上では罰金刑が定められています。また、民事責任は問えないと解釈されている先生もいらっしゃるみたいなので万が一無資格者の施術を受けて健康上に害が生じた場合、自己責任となってしまう可能性があるのでご注意ください。(刑事責任は問えますが)

まとめ

あはきと整体についての違いはご理解いただけたでしょうか?我々「あはき師」は専門学校ないしは大学で、解剖学、生理学、病理学、臨床医学各論(いろんな病気やケガなどに対する知識やその危険性に関するもの)、臨床医学総論(バイタルサインや各症状がどんな危険性があるかなどに関するもの)などなどをしっかり勉強して、試験を合格した人たちです。

治療や保健の目的での行為ができますが、○○が治ります!とは掲げてはならないのでもどかしい部分ではあります。ただし、正規の治療院であるかどうかは

・免許を掲げているかどうか

・上記の広告に関する法規に触れていないかどうか(誠実な所かどうかの判断材料になります)

・保健所に登録してあるかどうか

ですね。(私は登録したのに市の名簿に載っていなかったので後で保健所に聞いてみようかと思います。)

ご自身の身を守る為にも是非有資格者のところへ通っていただけると幸いです。

一部の有資格者もきちんと法律を守って欲しい所ですね。日本は法治国家ですよ?

一番の理想は無資格でやっている人もきちんと資格を取ってもらうことが一番ですけどね。無免許運転むしかくは危ないですよ?

2024/07/08

むくみってなんで起こるの?むくんだ時にできる簡単セルフケア法!

 湿度も高く、むくみやすい季節でもありますね。

梅雨明けももうすぐだと思いますが、梅雨が明けてもしばらくはムシムシとした日々が続きそうです。

これだけ水気の多い季節はいやが応にもむくみやすくなってしまいます。

むくみの原因も様々とあります。今回はむくみとそのセルフケアについて書いていきたいと思います。

むくみとは

むくみとは広義に浮腫と呼ばれ、細胞外に異常な量の液体成分が貯留することで起こるものを指します。

微小循環レベルでの水分移動のバランスの崩れが原因となります。血管外へ出る水分量が血管内へ戻る水分量を上回る場合に浮腫が起こります。

この水分が炎症性と非炎症性に分けられ、炎症性の物は滲出液しんしゅつえきと呼ばれます。血管の透過性が亢進することによって生じる物で名前の通り炎症が引き金となります。

非炎症性のものは漏出液ろうしゅつえきと呼ばれます。これは静水圧あるいは浸透圧の変化によって生じます。

ふくらはぎは第2の心臓と呼ばれるくらい大事な筋肉になります。このふくらはぎのポンプ作用により足に溜まった血液を心臓に戻します。

このふくらはぎの筋肉が弱ることで、心臓へ血液を戻す力が弱くなり、結果的に下肢の水分量が増えて水分移動のバランスが崩れて足がむくんだりする原因となります。

ただ、病気によってもむくむことがあります。なので、安易にマッサージや着圧ソックスなどでむくみを改善させるのは危険な行為となります。まずは病院へ受診して、病気ではないことを確認してから次のステップに移行することを強くおすすめします。以下に例を挙げておきますので参考にしてください。

浮腫の分類

浮腫どんなもの
心性浮腫①右心不全による全身浮腫:下肢に強い
②左心不全による肺水腫と胸水貯留
腎性浮腫①アルブミンの尿中への漏出に伴う低タンパク血症:全身浮腫(とくに眼瞼がんけん周囲に強い)
②尿毒症に合併する肺水腫:水腫液のタンパク質濃度が高い
肝性浮腫肝硬変によるアルブミン合成低下に伴う低タンパク血症と門脈圧亢進(腹水が最も目立つ)
上大静脈症候群癌(とくに肺癌)による上大静脈の閉塞に伴う両上肢、頸部、顔面のうっ血性浮腫
下大静脈閉塞症癌(胃癌や子宮癌)による下大静脈の閉塞に伴う両下肢のうっ血性浮腫
リンパ浮腫多いので省略します

とくに指で押した跡がなかなか消えないのは要注意です。西洋医学的には症状に合わせて着圧ソックスを推奨したり、薬での治療となるかと思います。


東洋医学的


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東洋医学的には肺・脾・腎や三焦の異常であると考えます。この肺・脾・腎は水分に関わる臓腑となっていて、三焦はその通り道となるからです。

東洋医学では肺は体内の水液を腎に送って尿を作る元とする作用をもちます。これが肺の水液代謝を調節する作用であり、水道を通調する生理機能とされます。この生理機能が衰えることにより、水が皮下にあふれて浮腫となります。

脾は運化水液と言って水分を吸収して輸送したり散布したりする作用になります。余分な水分を肺や腎に送って尿として排泄させます。この作用が衰えると水液が体内で滞って浮腫となります。

腎は「主水」と呼ばれ、水に関係するものの頭取みたいなイメージで良いと思います。

水液を管理し、脾から肺へ、肺から腎に送られてきた水分が腎によって蒸留気化され、蒸気となって三焦を通って全身に送られます。この蒸留気化作用が異常をきたすと関門(尿のバルブ)が異常を起こし、小便の代謝障害が起こって乏尿や浮腫となります。

三焦は上述の通り、水に関連する肺・脾・腎が送る通り道となります。イメージとしては血管の様なイメージで大丈夫です。(厳密には異なりますが。)

簡単にできるむくみセルフケア方法

着圧ソックスやマッサージなどの方法と、ツボ押しがあります。あとは薬局等で販売しているお灸なども効果的です。

マッサージに関しては、あまり強くやらないで、なで上げるような強さでやってあげるのがおすすめです。

ツボに関しては、三陰交、豊隆、関衝、中府あたりがおすすめです。

三陰交は過去の記事でも紹介しているのでそちらを参照してください。

豊隆は膝と足首をちょうど半分にした外側にあります。一番盛り上がっているところになります。このツボは体の中の湿気を取り除いてくれるツボになります。

関衝は薬指の爪の付け根あたりにあります。爪を挟むようにして揉んであげるのがおすすめです。このツボは上述の三焦のツボになるので効率よく吸収してくれるようになります。

中府は少し難しいですね。第1肋間の高さで、体の中心から指8本分(人差し指~小指×2)外側にあります。ここは肺と脾に関係するツボになります。

もしあまりトイレに行かないというような方がいらっしゃれば、腎のツボをとっても良いですね。腎のツボで代表的なところでは太渓あたりになります。腎のツボは過去の記事でも紹介しているのでそちらを参照してみてください。

まとめ

今回は足のむくみをメインに紹介してみました。顔のむくみは原理的には今回の内容と大差無いですが、東洋医学的に考えるとまた異なってきます。ですので、顔のむくみの解消法についてはまた別の機会にご紹介させていただきます。

2024/07/01

頭痛に悩むあなたにはここがおすすめ!頭痛のセルフケアってどうやるの?

雨が多く、気圧も乱高下して憂鬱な日が続きますね。こんな時は頭痛などの体調不良に悩まされることが多いかと思います。 

一口に頭痛といっても、その原因は多岐にわたります。

一般に知られているのは「片頭痛」、「緊張性頭痛」、「群発頭痛」の3種類ですね。

とくに片頭痛に悩まされている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は頭痛について書いていきたいと思います。

頭痛とは

そもそも頭痛には1次性頭痛と2次性頭痛の2種類があります。二次性頭痛の多くは頭の中の原因であることが多く、この場合はすぐに病院に行かないといけません。

いつまで経っても良くならない頭痛や今までに経験したことのない頭痛、嘔吐やふらつきなどの症状がある場合はすぐに病院へかかることをおすすめします。

では一次性頭痛とは何かというと、機能性頭痛と呼ばれ、みなさんご存じの「片頭痛」や「緊張性頭痛」などが該当します。

では、どのようなものがそれぞれに該当するのか見ていきましょう。

まず、次の場合は片頭痛を疑います。

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1.痛みの持続時間が4~72時間(治療していないか、治療しても効果が無い場合)

2.左右どちらかに出ているか、どくんどくんとした痛み方をしている、歩行や階段の上り下りなどの日常動作で悪化する、割と痛い~めっちゃ痛いの中の2つ以上が当てはまる

3.頭痛が出ている最中に、気持ち悪くなったり吐いたり、光や音に敏感になってしまう

4.他に何かの病気にかかっていない

他にも項目はありますが、主に参考にするのはこれくらいで十分でしょう。但し、あまりに症状が酷い場合は病院を受診してください。片頭痛は主に女性に多く、チョコレートや飲酒、運動、空腹、月経などで起こることが多いようです。

緊張型頭痛は以下を参考にしてください。

1.頭痛が30分~7日間持続する

2.左右両方に出ている、締め付けられるような痛み方をしている、「あ~、痛いなぁ」程度~割と痛いくらい、日常の動作で悪化しないのうち2つ以上当てはまる

3.気持ち悪かったり吐いたりしない(食欲が出ないことはある)、光や音に対して敏感になるのはあっても片方だけ

4.他の何かの病気にかかっていない

こちらも他にも項目はありますが、ひとまずこれだけは意識してください。

群発頭痛は一定の時刻、一定の時期でキリで目玉をえぐられるような痛み方をします。主に男性に多いようです。他の2つに比べて頻度は少ないですが、なる方もそこそこみえます。

他の症状として、目の周りのむくみや充血、鼻づまりなどが出てきます。

以下頭痛の発症様式に関する記述

突然発症し、激しい頭痛を訴え、意識障害を伴うものは、くも膜下出血・脳出血・脳腫瘍・髄膜炎を疑い、徐々に進行するものも前記疾患及び、眼・耳鼻・歯科疾患等の二次性頭痛を考える。また、長期にわたり反復しているものは、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛などの一次性頭痛が多い。頭痛の持続が瞬間的であれば三叉神経痛や舌咽神経痛・大後頭神経痛であり、数時間続くものであれば片頭痛・群発頭痛、数日間続くものであれば緊張型頭痛・髄膜炎、数ヶ月続いているものであれば脳腫瘍・慢性緊張型頭痛、また毎日、ほぼ決まった時間に短時間反復して起こっているのは群発頭痛で、1ヶ月に2~3回程度は片頭痛、午後から夕方にかけて増強する傾向があるのは緊張型頭痛、早朝強くなるのは脳腫瘍・片頭痛が多い。

痛みの周期では、片頭痛は不定、群発頭痛は2,3週~2,3ヶ月に頻発し、三叉神経痛は数秒単位で出現する。一方発症年齢は、小児・思春期に多いのが片頭痛、思春期以降は緊張型頭痛、20~40歳以降には群発頭痛、中年以降には三叉神経痛、50歳以降は器質的病変を疑う必要がある。片頭痛は女性に多く、群発頭痛は男性に多いのが特徴である。

鍼灸療法技術ガイドより抜粋

セルフケア法

片頭痛や群発頭痛はツボ押しよりも鍼灸治療の方がよく効いたりします。無いわけではないですが、あくまで気休め程度ですので過信はしないようにお願いします。

また、鍼灸治療を受けるに当たって片頭痛や群発頭痛は痛みが起きてる最中には不適応となります。予防的に受ける場合のみその効果が期待できます。

ツボとしては列欠、合谷、足三里、陰陵泉、太衝になります。

合谷、足三里太衝は過去の記事で紹介しているのでそちらを参照してください。

列欠は親指側の手首から指1.5本分上のところになります。このツボは頭項(あたまや首)の問題に対して大体効いてくれます。

陰陵泉は膝下の内側にあります。内側の膝下を触ってみると出っ張っているところがあるかと思います。その下の際のところになります。

緊張型頭痛は筋肉の問題なので、首肩周りのマッサージやストレッチを行うことをおすすめします。

ツボとしては上記のツボ以外に、太陽、天柱、角孫などがおすすめです。

太陽はこめかみのあたりですね。

天柱は頭の後ろ(一番出っ張っているところ)から斜め下くらいのところにあります。押さえるとズーンとした痛みを感じるかと思います。

角孫は耳の真上にあります。ここを軽く押さえてください。

まとめ

頭痛は軽く見てると取り返しの付かなくなることもある恐ろしい症状です。上記の様な項目に該当しない場合や、痛みの程度が酷い方はすぐに病院へ受診してください。

病院で何も問題が無ければセルフケア法を試したり、鍼灸を受けてみたりするのをおすすめします。

見つからなければ儲けもの、くらいの思いでいる方が私は安全だと思います。

健康で楽しく日々を過ごせるように多少なりともお力になれたなら幸いです。

では、次回の記事をお楽しみに!

過去の記事はこちら↓

なんか元気が出ない...。そんなときに元気が出る方法! 

腰痛に効果的なセルフケア

2024/06/24

なんか元気が出ない...。そんなときに元気が出る方法!

皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 6月も下旬に入り、これから湿気でいやな季節になりますね。(沖縄の方はもう梅雨明けしたみたいですが。)最近はとくに熱帯の島なのではないかと思うくらいに、ムシムシしてますし雨の降り方もスコールみたいに降ってないですかね...?

私個人としてはあまり雨は好ましくないなぁと感じます。身体が重だるく感じますし、一日のやる気がそがれたり、買い物に出かけるのもひどく億劫になります。

みなさんはこんな季節の変わり目は何か気分が落ち込んだり、やる気が出なかったり身体が重だるかったりしませんか?

特に日本の気候的にもそういう症状に悩みやすい場合が多いです。

なので今回はそのなんかやる気が出ない...や、なんか身体が重だるいみたいな症状に対するセルフケアについて発信していきたいと思います。

この時期は特に、梅雨前線などの影響により気圧も不安定になりがちです。そうすると、敏感な人は頭痛や身体のだるさなどの症状が反応として出やすくなります。近年では気象病などとも呼ばれているみたいですね。

そんなときには、季節の食べ物を摂取したり、ツボ刺激が有効です。(一番良いのは適度な運動習慣ですが...。)

東洋医学では「中庸ちゅうよう」という考え方があります。これは良いものも悪いものもバランスが取れていてこそ健康であり、悪いものばかりは言わずもがな、良いものだけでも身体のバランスが崩れて健康を損なってしまうということを指します。

また、そんな東洋医学の中で五行学説というものがあります。五行学説というのはいろんなものを5つに大別してそれぞれに当てはめていく考え方で、鍼灸治療の基本でもあります。その中には、人間の内臓の区別もあれば感情、体臭、味覚、食物、果ては季節の分類まであります。五行学説の中でも梅雨に該当する食べ物は

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五行長夏
五臓
五果
五菜韮(にら)薤(らっきょう)藿(マメの葉)
五畜
五穀黍(モチキビ)稷(タカキビ)
五味鹹(しおからい)
※五畜、五穀=「素問」金匱真言論篇第四参照

になります。

この長夏というのがいわゆる季節の変わり目を指しており、それぞれに対応する食材を摂取するのがおすすめです。

私がおすすめするのはこの中には入っていませんが、梅なんかも良いです。とくに梅酢などをよくお風呂上がりに飲んだりしてます。

酸味と甘みがほどよくマッチして、体力回復にも良いですし何よりもサッパリします。

ツボでおすすめなのは、関元、中脘、足三里、三陰交、湧泉ゆうせんです。

関元は過去の記事で紹介しているのでそちらを参照してください。

中脘は、へそとみぞおちを結んだ直線上のちょうど真ん中あたりにあります。ここは温めるようにしてください。このツボは他にも胃の不快感や不調などにも効果的です。

足三里湧泉も過去の記事で紹介しているのでそちらを参照してください。

まとめ

何事も過ぎたるは及ばざるがごとしのことわざのように食べ過ぎや食べなさすぎはよくありません。「程ほど」にが大切です。

雨も多く気分もあまり上がりませんが、適度に動いて適度に食べて梅雨と夏を乗り切りましょう。

過去の記事↓

腰痛に効果的なセルフケア 

あなたの体質はどれ?体質からわかる健康・美容対策とは!?その③ 


☆参考☆

新版 東洋医学概論(医道の日本社)

2024/06/17

腰痛に効果的なセルフケア

 肩こりに次いで悩みが多いのが腰痛ですよね。

育児や家事、仕事での荷物の移動や座りっぱなしなど様々な原因でなっています。

そこで今回は腰痛に関する内容をまとめてみました。

1.腰痛って何で起こるの?

2.腰痛に対するセルフケア

3.まとめ

1.腰痛って何で起こるの?

腰痛の生涯罹患率は約80%といわれていて、人が二足歩行をする以上切っても切り離せない疾患の一つといえます。また、一口に腰痛と言っても、立ち上がるときに痛むとか、腰をかがめたときに痛む、歩くときに痛むなど痛み方も異なると思います。

腰痛が起こる原因としてあげられるのは以下の8つに大きく分類されます。

原因疾患
椎間板ヘルニア、狭窄症など
背骨の異常分離症、すべり症など
加齢変形性脊椎症、骨粗しょう症など
軟部組織筋・筋膜性腰痛など
炎症性椎間板炎、脊椎炎など
外傷骨折、捻挫など
腫瘍脊髄腫瘍、ガンの骨転移など
その他内臓性のもの、心因性のものなど

歩いていてすぐに休みたくなったり、足にしびれるような感じが出たりする場合はまず病院での診察をおすすめします。

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この中で頻繁にみることが多いのが筋・筋膜性腰痛と椎間板の疾患です。筋・筋膜性腰痛の場合、背中の多裂筋、回旋筋、最長筋、腸肋筋などの脊柱起立筋と呼ばれる筋肉や、腰方形筋、腸腰筋、腸腰靱帯、横靱帯などの筋肉・靱帯が関わっていきます。(これらだけではなくもっといっぱいありますが。)

また、この付近にある仙腸関節に炎症が起こることで出てくる腰痛もあります。

この中で一般に鍼灸やセルフケアが効くとされているのは、筋・筋膜性腰痛とヘルニア、狭窄症、その他のものとなります。(ただし、セルフケアや整体はやり方によっては悪化する恐れもあるので試される場合は自己責任でお願いします。)


東洋医学では腰は腎臓が関わっているとされていますが、こちらは基本的には加齢に伴う腰痛の場合がほとんどです。

働く世代にとっては腎臓よりもおそらく肝臓の方が合っているのではないかと私は考えます。腎臓は基本的な腰痛の場合に考えられますが、肝臓は腰をかがめたときに痛むような場合に関わってきます。腰をかがめるような動作とは、子供を抱きかかえようとする動きであったり、車の乗り降りのような動きが該当します。

他に血の巡りが悪くなることで起こる瘀血おけつタイプ、環境による寒湿タイプなどもあります。

この後の項目では腎臓タイプ、肝臓タイプそれぞれのツボも書いていますのでご自身でどちらのタイプか日々の生活を振り返りながら考えてみてください。


2.腰痛に対するセルフケア

腰痛にはストレッチや体操、ツボ押しが有効である場合が多いです。ただし、神経症状が出ている場合や、そのほかの症状(動悸、頻尿など)が出ている場合はむやみにやらず、病院での指示に従うようにお願いします。体操は基本的にはラジオ体操で十分です。

腎タイプの人は先ほども述べたように加齢による腰痛が多いです。腰痛以外の症状では、膝の脱力感、膝の屈伸力の低下、(腰痛が)動くと悪化し休むと楽になるなどがあります。

この場合のツボ押しは委中、太渓(または照海)、関元が良いでしょう。

委中は膝の真裏の中心にあります。腰痛に対する特効作用があるツボです。

太渓は内くるぶしの後ろ側(アキレス腱側)にあります。(照海は内くるぶしの真下です。)

関元はよく丹田と呼ばれる場所で、へその下のおよそ指4本分の辺りにあります。ここは押すというよりも温める方がおすすめです。

肝タイプの人は働き過ぎによる腰痛が多いです。動くと痛むのは腎タイプと似ているところがありますが、膝の無力感などは感じません。また、ストレスによるものもあるので目の充血や頭痛などもあれば肝タイプの疑いがあります。

この場合は、大敦、太衝、急脈きゅうみゃくが効果的です。

大敦と太衝は過去の記事でも紹介しているので場所が知りたい方はそちらを参照してください。

急脈のツボは腰骨の内側にあります。関元から指3本分下でそこから外側に指3.5本分横のところにあります。大腿動脈という動脈が拍動しているのがわかるところになります。ここは少し長めに押さえると効果的です。

他にも承筋しょうきん(ふくらはぎの真ん中)と呼ばれるツボや、ぎっくり腰に対してよく効くとされている腰腿点ようたいてん(左右両方の手の甲で、人差し指と中指の骨が交わる所、薬指と小指の骨が交わる所の手前の2か所)と呼ばれるツボもあります。

3.まとめ

ぎっくり腰しかり、慢性的な痛みしかり、腰痛があるとそれだけで日々の生活が苦しくなりますよね。

一番は腰痛を起こさないように予防するのが大切です。そのためにはやはり適度な運動とストレッチが一番重要な要素となります。

毎日続けるのはとても大変なことですが、例えば、夜寝る前に軽く長座体前屈で腰を伸ばしたり、朝起きたときにネコのように伸びをする程度のものでも良いと思います。

もし、これでも腰痛が起こった場合は、上述のツボ押しを試してみたり、近くの鍼灸院に相談してみてください。


過去の記事はこちら↓

あなたの体質はどれ?体質からわかる健康・美容対策とは!?その③ 

 あなたの体質はどれ?体質からわかる健康・美容対策とは!?その② 


☆参考☆

図解 鍼灸療法技術ガイドⅡ(文光堂)

カラー人体解剖学(西村書店)

2024/06/10

あなたの体質はどれ?体質からわかる健康・美容対策とは!?その③

 各タイプについて自分がどのタイプなのか把握できましたか?

では、今からそれぞれのタイプ別のセルフケア法について解説していきたいと思います。

・肝タイプ
・心タイプ
・脾タイプ
・肺タイプ
・腎タイプ

・肝タイプ

肝タイプの方はストレスが多くかかっていたり、イライラしやすいのが特徴でした。

一番良い解消法は体を動かすことになります。趣味がある方は趣味に没頭してみるのも良いですね。最近ではヒーリングミュージックなんてものもあるので、そういうのを聞いてみるのも良いですし、公園などの緑があるところでぼーっとするのも良いかもしれません。

私は拳法をやっていたことがあるので、その動きで体を動かしたりします。

ツボ押しとしては、大敦、行間、太衝のツボがおすすめです。

大敦は足の親指で、爪の下の方の角(内側)にあります。肝の経穴の並びの一番初めにくるツボになります。

行間は足の親指と人差し指の間の水かきの部分になります。大敦の次にくるツボになります。

太衝は過去の記事でも紹介しました。足の甲にあり、足の親指と人差し指の間の骨が交わるところにあります。足背動脈という動脈の上にあるので、かすかにどくどくと拍動しているのが感じ取れます。

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・心タイプ

こちらはメンタルがしんどい方などが当てはまっているかと思います。自律神経が乱れている方も該当するかもしれません。

おすすめはぬるめのお風呂に長めにつかるのが良いですね。あとは深呼吸するのも良いです。

ツボ押しとしては内関、外関、合谷、太衝あたりがおすすめです。

内関は過去の記事でも紹介していますね。手首にあるツボです。このツボは他にも乗り物酔いや二日酔いなどの吐き気にも効果があります。緊張も和らげてくれるのであがり症の方にもおすすめです。(※強く押しすぎず、優しくなでるようにさすってあげてください。)

外関は内関の反対側にあるツボになります。よく内関のツボとセットで使うことが多く、私の場合は同時に刺激します。

合谷も過去の記事で紹介したかと思います。万能のツボとしても有名なツボで合谷は知ってる!という方も少なくはないのでしょうか。よく使われる症状としては胃腸症状のツボとして使うことが多いツボになります。他にも肩こりや眠気覚ましのツボとしても使われますね。

太衝は肝タイプでも紹介しました。肝と心はつながりが深く、言葉としてもよく「肝心な」などとして耳にすることも多いのではないでしょうか。血の巡りをよくしたりするツボでもあるので心タイプの方にもよく効きます。

・脾タイプ

東洋医学の中で最も重要といっても過言ではない「脾」のタイプです。過食や拒食など食に関する悩みを持っていたり、むくみなど水の巡りに関わるタイプ(後述の腎タイプも水に関わりますが)であったりします。

一番効果的な対処法としては、一日30分程度の散歩が一番効果的です。また、歩くときはスニーカーなどの底が平らなものを履いて、腕をしっかりと振りながら歩くことが大切です。

このタイプのツボ押しでおすすめなのは、太白、三陰交、大包です。

太白はこの脾タイプで一番重要なツボで、足の内側をつま先の方までなでていったときに指が止まるところにあります。足を水平に半分にしたときのライン上に取ります。

三陰交は内くるぶしのおよそ指4本分上にあります。ここは別名婦人科のツボとも呼ばれていて、婦人科疾患(月経関連や冷え性、むくみなど)に悩んでる方にもおすすめのツボになります。

大包は脇の下にあるツボでここは押さえるというよりも、お風呂などでタオルで軽くこするのがおすすめです。

・肺タイプ

肺タイプの方は呼吸器が弱かったり、乾燥肌やアトピーに悩んでる方に多いタイプになります。ちなみに、呼吸が浅い人は肺と腎の両方に該当します。

このタイプのひとはじんわりと汗をかくようなことをするのがおすすめです。方法は何でも良いです。サウナでも、運動でも、お風呂でも。ただし、辛いものを食べて汗をかくのも良いのですが、胃腸に負担がかかってしまうため、あまりおすすめはできません。

おすすめのツボは中府、尺沢、少商になります。

中府は肺の経絡(線路みたいなもの)の始まりのツボでとても大事なツボになります。説明するのが難しい場所になるのですが、大体胸の肩の付け根近くにあります。

尺沢は過去の記事でも紹介しているのでここも該当記事を参照してください。

少商は親指の爪の外側の角にあります。

・腎タイプ

ここは肌のくすみや加齢に伴うものが多いタイプになります。足腰が弱かったり、耳鳴り難聴がある人もこのタイプが多いです。

このタイプのひとはまず体に負担をかけないようにするのを意識すると良いですね。ゆっくり休むのも良いですし、冷たいものや熱いものの取り過ぎを避けるのも大事です。

ここのおすすめのツボは、湧泉、太渓、気穴になります。

湧泉は足裏の一番凹んでいるところになります。ここはあまり強く押さえず、気持ち弱めで押すのが良いです。

太渓は内くるぶしの後ろ側(アキレス腱側)にあります。ここは腎タイプで一番重要なツボになります。ここは押さえるよりも温める方が効果的です。

気穴は関元の外側で大体指0.5本分のところにあります。ここも押さえるよりも温める方が効果的です。

・まとめ

今回は3本にわたって記事を書いてみました。全部読むのは骨が折れると思いますがよろしければ是非、一度目を通していただけると嬉しいです。

また、この記事で自分がどんな体質なのか、どこを注意すれば良いのかということの参考になれれば、尚のこと嬉しいです。

もしわからないところなどあれば気軽にコメントをください。可能な限り返信させていただきます。

過去記事はこちら↓

あなたの体質はどれ?体質からわかる健康・美容対策とは!?その② 

あなたの体質はどれ?体質からわかる健康・美容対策とは!?その① 

2024/06/03

あなたの体質はどれ?体質からわかる健康・美容対策とは!?その②

 血液の働きに関してご理解いただけたでしょうか?(その①)

ここから東洋医学的視点からあなたの体質を判別していきたいと思います。

東洋医学で体質を判断する上で、よく用いられるものに「五行色体表」というものがあります。

そのほかに陰陽論や気血津液弁証、八綱弁証、臓腑弁証など多岐にわたりますが、今回は五行色体表をベースにして他の要素も含めながら見ていきたいと思います。

色体表自体の量は膨大になるのでとくによく使うものをピックアップしていきます。

五行
五臓
五腑小腸大腸膀胱
五味塩辛い
五情
五官
五華毛髪
五液
五労

次に大事な八綱弁証の虚実について見ていきます。

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寒がり自汗小便清長軟便盗汗
暑がり無汗小便不利便秘

他にも様々なものがありますが、今回見ていく分にはこれくらいで十分でしょう。
まず、虚実から見ていきますね。
虚というのは、体の中のエネルギーが足りていない状態であるということを指します。
主にいんきょ(体を冷ますためのものが足りない)、ようきょ(体を温めるものが足りない)、けっきょ(血が足りない)、気虚(元気がない)などが挙げられます。

かんというのは、じっとしていても汗をかく状態のことを指します。(気虚)

とうかんというのは寝汗のことを指します。(陰虚)

小便清長は1回のおしっこの時間が長く、透明であることを指していて、小便不利は逆におしっこが出にくい状態を指します。

実というのはエネルギーが余っている状態か一部に集中してしまっている状態を指します。

この表を参考にして、今自分の体がエネルギーが無い状態なのか、密集している状態なのかが判別できたと思います。

次に五行色体表を見ていきますね。

この表は縦に対応していっています。例えば、五情の怒(イライラ)が強くなりすぎると五臓の「肝」に影響します楽しい気分や嬉しい気分が行き過ぎるとあとで心に影響します。ある物事に執着して考えてばかりいると脾に影響します。ネガティブに考えすぎると肺に影響します。過度に怖がりすぎると腎に影響します。逆に、いつもより驚きやすかったり怖いなと感じることが多い場合は腎が弱っている可能性があるとも考えられます。

五味はどの味をよく好んで食べたり飲んだりするかという点で判別します。

例えば、すっぱいものを好んで食べたくなるような人は肝の実証になります。逆にすっぱいものを避けたいと思う場合は肝の虚証になります。

五官は目に症状が出る(充血やめまい(立ちくらみや頭に血が上ってくるようなもの)、かすみ目など)ひとは肝タイプ舌(舌の違和感、しびれなど)に症状が出るひとは心タイプ口(口内炎や口周りのにきびなど)に症状が出るひとは脾タイプ鼻(嗅覚や蓄膿など)に症状が出るひとは肺タイプ耳(難聴や耳からくるめまいなど)に症状が出るひとは腎タイプになります。

五華は爪(爪が割れやすかったり、線が出るまたはへこんだりしているものなど)に症状が出るひとは肝タイプ面色(顔色)に症状が出るひとは心タイプ唇(唇が割れたり、切れたりするようなものなど)に症状が出るひとは脾タイプ毛(産毛や体毛がよく生えてくるようなものなど)に症状が出るひとは肺タイプ髪(抜け毛や薄毛など)に症状が出るひとは腎タイプになります。

五液は涙を流しやすいひとは肝汗をかきやすいひとは心よだれが出やすいひとは脾鼻水が出やすいひとは肺つばが出やすいひとは腎のタイプになります。

よだれとつばの違いがわかりにくいというひとは、サラッとしたものがよだれ(臭いもあまりしないことが多いです)、ちょっとねばっこさを感じるものをつば(ちょっと臭いを感じることが多いです)と思っていただけるとわかりやすいかと思います。

五労は行というのは働き過ぎや動きすぎのことを指します。こういうひとは肝タイプです。よく目を使うようなひとは心タイプ、座っていることが多いひとは脾タイプ、寝ていることが多いひとは肺タイプ、立っていることが多いひとは腎タイプになります。

肝のタイプが多く当てはまったひとはストレスが多くかかっていたり、イライラしやすかったりすることが多いです。お酒をよく飲むひとはここに当てはまることも多かったりします。

心のタイプが多く当てはまったひとは気持ちが乱高下しやすかったりします。

脾のタイプが多く当てはまったひとはむくみやすかったり、お腹の調子も崩しやすかったりします。お腹や顔などにお肉がつきやすいのもこのタイプが多いです。

肺のタイプが多く当てはまったひとは肌が乾燥しやすかったり、呼吸器系が弱かったりします。アトピーのひとはここに当てはまることが多いですね。

腎のタイプが多く当てはまったひとは聞き直すことが多くなっていたり、肌にくすみが出てきやすかったりします。しみなどの悩みもここに当てはまることが多いようです。

もちろん、どれかひとつにしか当てはまらないのではなく、複数当てはまる場合もあります。

その場合はより多く当てはまった方が1番だと思ってください。その上で、セルフケアをする場合は他の当てはまったものも加えてあげるとより良い効果が得られます。

各タイプのセルフケア法についてはその③へ→

◆参考◆

新版 東洋医学概論(医道の日本社)

全訳 中医基礎理論(たにぐち書店)

針灸学 [基礎編](東洋学術出版社)

難経入門(経絡治療学会)

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